「自転車事故の特殊性と後遺障害等級第8級から第14級について」

 

自転車事故の特殊性と後遺障害等級第8級から第14級について

自転車事故の特殊性と後遺障害等級第8級から第14級について

日常生活や仕事へ支障を与える後遺症は、自動車事故に限らず、自転車事故でも起こります。
しかし、自転車事故の場合、自動車事故のような強制保険がないため、自転車事故と因果関係のある後遺障害について認めてもらうのが難しいという現状があります。
ここでは、自転車事故の特殊性とともに、後遺障害を認定してもらうためのポイントや後遺障害等級第8級から第14級についてご紹介します。

自転車事故の特殊性

自動車の場合、自動車損害賠償責任(自賠責)保険へ加入していなければ運転することができません。
しかし、自転車の場合、自賠責のような保険がなく、加入を義務としていない自治体がほとんどです。
そのため、自転車保険を義務化している一部の自治体以外では、自転車事故の加害者が保険に入っていないこともしばしばです。

後遺障害を認定してくれる専門機関がない

自転車事故で後遺症が残り、それに対して補償を受けたいと思っても、自動車事故のように後遺障害について厳正に判断して等級を認定してくれる専門機関がありません。
加害者が保険に加入していれば、その保険会社が後遺障害について審査を行い、自動車事故で利用される自賠責調査事務所の審査サービスを使って後遺障害に対して認定してくれます。
しかし、警視庁の調べによると自転車事故を起こした人の約6割しか自転車保険に加入していないのが実状です。
被害者側の加入している保険で後遺障害について対応してくれるサービスがあれば利用できますが、加害者も被害者も保険未加入のケースや保険会社が出した等級認定に納得ができない場合、裁判を起こして自身の後遺障害の主張を行うことになります。

自転車事故による後遺障害等級の認定方法

自転車事故の場合、後遺症の程度は人それぞれです。
しかし、個別に細かく判断するのは非効率で公平性に欠けるため、被害者の後遺障害の程度やどの等級に該当するかということについては、後遺障害診断書の記載や医師の証言、実際の治療経過などから総合的に判断されるのが一般的です。

後遺障害と認められるための5つの条件

後遺障害だと思っていても、具体的に立証できなければ加害者側に認めてもらえず、必要な補償や慰謝料が受け取れません。
したがって、後遺障害と認めてもらうための条件を知っておくことが大切です。

  • 事故状況と被害者が医師に申告した症状の程度が一致している
  • 事故後から治療のために定期的に医療機関へ通院している
  • 事故後から被害者が訴える症状に一貫性と連続性がある
  • 後遺障害が重いと判断でき、日常的に症状が継続している
  • 被害者が訴える後遺障害の症状と、画像診断や検査結果に矛盾がない

後遺障害等級第8級から第14級

後遺障害等級の半分以下の階級になるため、重大な障害ではないような印象を持つ方もいるでしょう。しかし、第8級以下でも比較的重度な障害が含まれています。

等級別の労働能力損失率

第8級には、片目の失明もしくは片目の視力が0.02以下という視力障害や頚椎の圧迫骨折といった脊柱の運動障害などが該当します。

しかし、労働能力損失率は50%以下となっています。
  • 第8級:45%
  • 第9級:35%
  • 第10級:27%
  • 第11級:20%
  • 第12級:14%
  • 第13級:9%
  • 第14級:5%

慰謝料の相場

等級別の後遺障害慰謝料の相場は次の通りです。

  • 第8級:830万円
  • 第9級:670万円
  • 第10級:530万円
  • 第11級:400万円
  • 第12級:280万円
  • 第13級:180万円
  • 第14級:110万円
  • 後遺症として今後も生活に影響を与える可能性がありますが、慰謝料的にはそこまで高くないのが実状です。
    しかし、等級が高いほど仕事や日常生活へ影響を与える可能性が高いため、自分の症状にあった等級で認めてもらうことが大切です。

    等級認定を受ける際の注意点

    どの等級が妥当かは、提出された書類や医師の証言などから判断されるため、提出書類はとても重要です。
    また、加害者側の保険会社を利用した場合、思っていた等級で認定されないケースもあるため、適正な賠償が受け取れるよう正しい知識を持って判断することが大切です。

    後遺障害診断書の作成を医師だけに任せない

    後遺障害がある場合、通っていた病院の医師に後遺障害診断書を作成してもらうことになります。
    しかし、後遺障害診断書の作成に慣れている医師がいればそうでない医師もいます。後遺障害診断書の書き方に慣れていない場合、等級の基準や要件にあった内容の症状を書いてもらえず、思っていた等級よりも低い等級になってしまう可能性があります。
    適当な等級認定を受けたいと考えているのであれば、医師任せにするのではなく、自分が抱えている症状を詳しく伝え、診断書内に反映してもらうことが大切です。
    必要に応じて追加検査のお願いや立証したいポイントを伝えるようにしましょう。

    納得できない認定結果を受け入れない

    認定される等級が1つ違うだけで慰謝料が大幅に異なります。後遺障害があると、大なり小なり今後の生活や仕事に影響してきます。
    障害の症状が大きいほど精神的な苦痛も大きいものです。
    自分が妥当と思っていた等級よりも少なく、納得ができないのであれば、提示された認定をそのまま鵜呑みにする必要はありません。
    訴訟等で後遺障害の主張を行うことができるため、自転車事故に詳しい弁護士などの力を借りて適正な賠償を受けましょう。

    後悔しないようできる限りのことをしよう

    後遺障害等級第8級から第14級は、第1級から第7級までと比べると労働能力損失率も50%以下で大きな障害ではないと思われるかもしれません。
    しかし、後遺症は今後一生続く可能性があるもので、精神的な苦痛も大きいものです。一生を左右する可能性があるため、等級の高さに関係なく、後遺障害を認めてもらうためにできる限りのことを行って相手に認めてもらうようにしましょう。

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