自転車は、免許が不要で誰でも気軽に乗ることができます。
移動手段として趣味やレジャーとして老若男女問わず利用されていますが、自転車による事故も増加傾向にあるのです。
近年、交通事故件数に占める自転車事故件数の割合は、2割程度と高い水準で推移しています。さらに、自転車事故による死傷者数は、未成年者と高齢者で過半数を占めているのが現状です。
被害者救済の目的で義務化が進んでいる自転車保険は、コンビニでも手軽に申し込むことができます。自転車を使う頻度の高い人でまだ未加入の人は、これを機に申し込みを検討してはいかかでしょうか。
この記事では、コンビニでの自転車保険の申し込み方法やメリット、デメリットを紹介し、各コンビニが取り扱う自転車保険を比較をしていきます。
自転車保険とはどのような保険?
自転車保険とは、自転車を運転していて事故が起こった場合に補償をしてくれる保険です。
保険の内容は、相手への損害賠償(個人賠償責任保険)と自分の怪我に備える保険(傷害保険)保険がセットになっています。
個人賠償責任保険は、自転車で事故の相手に怪我をさせてしまった場合や死亡させてしまった場合、相手の物を壊してしまった場合など、損害賠償責任が発生したときに保険金が支払われます。
傷害保険は、自転車事故を起こしたことによって、通院や入院をしたとき、死亡・後遺障害を負ったときに保険金を受け取れます。
保険の内容によっては、自転車運転中以外の交通事故でけがをしたときにも補償されるタイプもあります。
自転車保険への加入は必須
近年、重大な自転車事故の増加に伴い、自転車保険の加入義務化が進み、2021年10月1日時点で34都道府県、2政令指定都市で自転車保険への加入を義務付ける条例が定められました。
しかし、自転車保険への加入は任意のため努力義務であるとしている自治体も少なくありません。
自転車保険が義務化されている東京都の自転車保険加入率は、自転車を利用する都民の62.8%が対人賠償事故に備える保険などに加入しています。
しかし、義務化されているとはいえ、未加入で運転している人が多いことも現状です。
コンビニで加入できる自転車保険の特徴
保険といえば、担当者との面談や書類の準備など手間と時間がかかるイメージが払拭できません。さらに、保険を取り扱う店舗での申し込みは時間が限られています。
一方、コンビニの自転車保険は自分のペースで加入手続きが可能です。
それでは、コンビニで加入できる自転車保険の特徴を見ていきます。
手続きは自分で行う
コンビニの自転車保険は、手続きの際、保険会社との対面の手続きは不要で、コンビニの端末機を使い自分のペースで手続きできる手軽さが魅力です。
各コンビニでの申し込み手続きは、以下の場所で行えます。
- ローソン:Loppi
- ファミリーマート:ファミポート
- セブンイレブン:コピー機
それぞれのコンビニで手順の違いがありますが、端末機を利用するため対面や面談はありません。
セブンイレブンで加入する場合には事前予約が必要です。
即時決済が可能
コンビニでの申し込み手続きが完了すると払込票が印刷されます。
代理店や保険会社で加入する場合は、口座情報やクレジットカード情報が必要ですが、コンビニの場合、払込票を持ってレジにて支払いをすれば手続き完了です。
振り込みのために銀行に行く手間もなく、即時決済ができるため、申し込みから支払いまでコンビニだけで行えます。
各コンビニで加入できる保険と補償内容
コンビニの自転車保険は、手続きが簡単ですが説明や補償内容についての説明はないため、自分がどこの保険でどのような補償に加入したのか理解できていないと事故が起こったとき対応できない恐れがあります。
コンビニで加入できる自転車保険は、個人賠償責任保険と傷害保険がセットになって販売されています。
個人賠償責任保険は、自転車事故や日常生活で他人にケガをさせてしまった場合や他人の物を壊してしまった場合などに適応される保険です。
それに対して、障害保険は自転車事故や自転車事故以外の交通事故により自分がケガや後遺症になった場合に適応される保険です。
自分がどのような自転車保険に加入すればよいのか?ここからは各コンビニで取り扱っている自転車保険の補償内容や保険料などについて見ていきましょう。
ローソンの自転車保険
ローソンで加入できる自転車保険は、東京海上日動火災保険株式会社が引き受けを行っています。タイプは2種類から選択可能です。
充実プラン | お手軽プラン | |
---|---|---|
相手への補償 | 対人対物無制限 | 対人対物無制限 |
自分への補償 | 死亡・後遺障害 400万円 入院日額(1日につき)4,000円 手術保険金額 入院中40,000円 入院中以外20,000円 |
死亡・後遺障害 100万円 入院日額(1日につき)1,500円 手術保険金額 入院中15,000円 入院中以外7,500円 |
保険料(本人型) | 年間5,270円(月々439円) | 年間3,320円(月々277円) |
ファミリーマートの自転車保険
ファミリーマートで加入できる自転車保険は、損害保険ジャパン株式会社が引き受けをおこなっています。
日本国内において発生した事故により損害賠償請求を受けた際には、損害保険ジャパンが示談交渉を引き受けてくれます。
相手への補償 | 最大3億円 |
---|---|
自分への補償 | 死亡100万円、後遺障害は死亡金額の4%~100% 入院日額(1日につき)4,000円 手術保険金額 入院中40,000円 入院中以外20,000円 |
保険料(本人型) | 年間3,420円 |
セブンイレブン
セブンイレブンで加入できる自転車保険は、三井住友海上火災保険株式会社が引き受けをおこなっています。
WEBにて事前に予約を完了させると画面上に払込票番号(バーコード)が表示されるのでそれを持っていけば払い込みか可能です。
相手への補償 | 最大3億円 |
---|---|
自分への補償 | 死亡1,000万円、後遺障害の場合最大1,000万円 入院日額(1日につき)8,000円 手術保険金額 入院中80,000円 入院中以外40,000円 |
保険料(本人型) | 年間3,220円 |
コンビニで加入できる自転車保険のメリット・デメリット
コンビニの自転車保険といっても、引受保険会社は、誰でも聞いたことのある大手損害保険会社のため安心して加入できます。
このほかにも、コンビニの自転車保険にはいくつのメリットがありますが、デメリットになりうることもあるためどのような点に気をつけて加入すれば良いのか確認しておくと、加入後に後悔することはありません。
それでは、コンビニで加入できる自転車保険のメリット、デメリットをそれぞれご紹介していきます。
コンビニで加入できる自転車保険のメリット
コンビニで加入できる自転車保険のメリットを挙げていきます。
手続きが簡単
保険に加入する際、印鑑や身分証明書など事前に準備することがあります。
しかし、コンビニで加入手続きをするために準備するものは、保険料だけです。
それでは、コンビニでの自転車保険加入方法について見ていきましょう。
各コンビニで使用する端末は違いますが、基本的な操作はほとんど変わりません。
1.端末機にある「自転車保険」を選択
2.画面案内に従い操作
3.内容を確認のうえ「OK」ボタンを押下
4.払込票が出てきたらレジで支払いをする
コンビニによって手順に違いがありますが、お客様控えと申込控えを渡されるので大切に保管しておきましょう。
問題がなければ、1週間ほどで任意保険証書が届きますので保険証券は大事に保管しておきましょう。
24時間365日いつでも加入できる
ほとんどのコンビニは、24時間365日営業しています。
保険会社の窓口や代理店、自転車の購入先などで自転車保険に加入することもできますが、手続きを行う時間は限られています。
コンビニでの加入手続きは早朝深夜でも行えるため、自分の都合の良い時間や緊急での加入でも慌てることがなく加入できます。
お手頃価格から充実補償まで品揃えが豊富
前述にもありますが、コンビニで加入できる自転車保険は、年間保険料が数千円と安価な保険料で充実した補償内容となっています。
安価で加入できる理由は、代理店型保険のように対面式での加入ではなく、人件費がかからない点が挙げられます。
しかし、引受保険会社は大手損害保険会社で、示談交渉サービスが付帯されているため、事故が起こっても安心です。
コンビニで加入できる自転車保険のデメリット
自転車保険に限らずメリットがあればデメリットがあります。デメリットを理解しておくと加入後に後悔することはありません。
それでは、コンビニで加入できる自転車保険のデメリットを挙げていきます。
個人賠償責任保険が重複する恐れがある
コンビニで加入できる自転車保険は個人賠償責任保険と傷害保険のセットになっています。
個人賠償責任保険は、自転車での事故以外にも下記のようなトラブルに対して補償してくれます。
- 子どもが誤って陳列棚の商品を落として壊した
- 飼い犬が通行人に飛びかかって怪我をさせた
このように補償範囲が広いため、自転車を使わない人でも自動車保険や火災保険などに付帯している人は少なくありません。
自転車保険に加入する際は、自分や同居の家族が個人賠償責任保険に加入していないか確認をしておきましょう。
詳しい説明を聞くことはできない
コンビニで加入手続きから保険料の支払いを完了するため、補償内容の説明や免責事項の説明などを口頭で聞くことはできません。
自分が加入したい補償内容や補償範囲などが加入しようとしているコンビニの自転車保険にあるのか事前に確認をしておきましょう。
まとめ
コンビニで加入できる自転車保険は、簡単かつ自分の都合で加入手続きを行えます。
近年、自転車事故が多発していて賠償額が1億円近くになった案件もあるのです。
加入を義務化している自治体も増加していますが、未加入でも罰則規定はないため個人の判断に委ねられます。
相手の人や物への賠償だけでなく、自分を守るためにもこの機会にコンビニの自転車保険へ加入しておきましょう。