自転車保険

自転車保険の「家族型」とは?どんなケースだと家族型を選ぶべき?

どこの家庭にも1台は所有、使用しているものが自転車です。
交通手段となったり、趣味やレジャーの道具として使ったり、家族のなかで自転車の使い方が違うことはあっても自転車はわたしたちにとって馴染みのある乗り物といえます。
また、自転車は車のように免許証がいらないため一家に1台あれば誰でも乗ることが可能です。
しかし、近年、自転車による重大事故は増加しています。もし、家族が自転車で事故を起こしたことを想定した場合、どのような保険に加入していれば良いのでしょうか?

今回は、家族全員に対応してくれる自転車保険の「家族型」の概要やどのようなケースであれば加入すべきかという点についてご紹介していきます。

自転車保険の加入が必須の理由とは?

自転車による重大事故は、被害者と加害者の双方に経済的な負担をもたらす結果となるのです。
それでは、実際に起こった事故案件をご紹介していきます。

男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断、自転車で対向車線を直進してきた24歳男性会社員と衝突しました。
この事故で、男性会社員に言語機能の喪失などの重大な障害が残り、男子高校生側に9,266万円の損害賠償支払いの判決が出たのです。
この場合、自転車を運転していたのが未成年であっても、親や肉親などが損害賠償を支払わなければなりません。

近年、このような事故案件が増加していることもあり、自転車保険への加入を義務化する自治体が増えています。
国土交通省の調査では、2022年4月時点で自転車保険の加入を義務づけているのは、30都府県1政令市です。
また、9道県は努力義務を条例で定めています。

契約者と記名被保険者とは?

保険には、保険会社と契約をする「契約者」と契約した保険の補償を受けられる「記名被保険者」があります。
一般的には、契約者と記名被保険者は同一ですが、未成年や高齢者の場合、記名被保険者は本人でも契約者が保護者や身元引受人といったケースも少なくありません。

記名被保険者は、補償の中心となり、補償を受けられる方の範囲などは記名被保険者によって決定されます。

自転車保険でどのような補償が受けられる?

自転車保険は、2つの補償内容に分けられます。

・個人賠償責任保険

個人賠償責任保険とは、自分が自転車を運転していたときに他人を死傷させたり、他人の物に損害を与えたりと、自分が加害者になった場合に備える補償です。
個人賠償責任保険は自転車事故以外にも、店舗に陳列してある商品を誤って破損したり、飼い犬が他人に怪我を負わせたりした場合も補償してもらえます。
また、補償の対象となるのは、記名被保険者と同居している家族も含まれます。

・傷害保険
傷害補償とは、自転車を運転中、怪我や後遺障害を負ってしまった、もしくは死亡した場合、入院給付金、入院一時金、通院給付金、死亡補償、後遺障害補償などの補償が受けられます。

傷害保険は、記名被保険者のみ補償もしくは家族全員補償から選択します。

「本人型」と「家族型」の違いとは?

近年、自転車による事故の被害者救済と加害者の経済的負担を解消する目的で自転車保険への加入を義務化している自治体が増えています。
自転車は、免許証がなくても乗ることができるため、全員が利用する家も多く、個々ではなく家族全員が加入できると安心です。
自転車保険には、「本人型」と「家族型」がありますが、どちらに加入するかによって補償できる人の範囲が違ってきます。

それでは、「本人型」と「家族型」について詳しく見ていきましょう。

本人型

「本人型」とは、自転車保険の補償の対象になる人が本人とするタイプの保険です。
自分の怪我の補償の対象となる人は「記名被保険者」のみとなります。

家族型

「家族型」とは、家族全員を補償の対象とするタイプです。
すべての補償において家族全員が対象となります。
保険でいう家族に該当する人は、下記の通りです。

・記名被保険者
・配偶者
・本人またはその配偶者の同居の親族 
・本人またはその配偶者の別居の未婚の子

最近では、家族型でも記名被保険者と配偶者の夫婦ふたりがまとめて補償を受けられるプランや、家族(本人またはその配偶者と同居の6親等以内の血族及び3親等以内の姻族)みんなが補償を受けられるプランがあり、補償の対象となる人の範囲を選択することができる保険も増えています。

家族型のメリット・デメリットとは?

自転車は、通勤通学だけでなく近所への買い物や健康のために乗る人も増えています。
しかし、家族全員で自転車を利用したくても保険の補償が限定されていないと気軽に利用できません。家族型に加入していれば安心ですが、メリットがあるとデメリットもあります。

それでは、家族型のメリットとデメリットについて挙げていきます。

家族型のメリット

家族型のメリットについて見ていきます。

・一つの契約で家族全員が補償を受けることができる
自転車通学をしている子ども、自転車通勤している父がいるといった家族全員が自転車を利用している家庭には、家族型に加入すれば家族全員が補償を受けられます。

・保険料を安く抑えることができる
家族型に加入すれば保険を1つにまとめることが可能です。
家族が個々で保険に加入するよりも保険料が割安になります。

・子どもから高齢者まで補償してもらえる
自転車事故は、子どもや高齢者が関連している案件も多く、高額な賠償金が家族の負担となる恐れがあります。
家族型に加入すれば、家族に自転車を利用する未成年や高齢者がいても安心です。

家族型のデメリット

次にデメリットについて見ていきます。

・家族全員が同じ補償
家族型は、家族全員が同じ内容の補償が受けられます。
例えば「子どもや父は毎日自転車に乗っているけど、自分はほとんど自転車には乗らない」という人でも子どもや父と同じ補償となるため保険料が割高になることがあるのです。

・補償が重複することがある
傷害補償は、他に加入している医療保険や傷害保険などと重複する部分が多くあります。
別の保険に加入している人は過剰補償になることもあるため注意が必要です。

どのような人が家族型に向いている?

家族型であれば補償してくれる人の範囲は広がりますが、自転車に乗らない人がいる家庭や他の保険に加入している人がいる家庭にとっては、保険料が割高になります。
それでは、どのような人が家族型に向いているのか見ていきます。
・未成年の子どもや高齢者のいる家族
家族型であれば、同居している高齢者や子ども、別居している未婚の子どもでも自転車事故を起こして相手を怪我をさせた場合でも、自分がケガをした場合でも補償してもらえます。
・緊急の対応が難しい家族
自転車保険には、示談代行サービスや弁護士費用特約、自転車ロードサービスなどさまざまな特約が付帯されています。
子どもや高齢者の多くは、自転車が破損したとき、どのような対応をしていいのかわかりません。
また、家族が連絡を受けてもすぐに現場に間に合わないこともあります。このような場合、自転車ロードサービスが付帯されている保険に加入していれば、自転車の運搬が可能です。
また、自転車事故が原因で裁判になった場合には、弁護士費用特約を利用して弁護士を派遣して貰えます。

おすすめの家族型自転車保険

家族揃って自転車を使う場合や、子どもから高齢者まで年齢幅の広い家庭にとって家族型自転車保険は、保険料を安く抑えて手厚い補償が受けられます。
しかし、補償内容は、各保険会社によって違いがあるため、どのくらいの補償を必要とするのかは各家庭によって違ってくるため、加入前に補償内容を知っておくことが重要です。
それでは、おすすめの家族型自転車保険とその補償内容についてご紹介していきます。

損保ジャパン「UGOKU」

損保ジャパンの自転車保険「UGOKU」は、自転車事故などによる相手への賠償は無制限、自身の怪我に対する補償は安心の最大3,000万円、示談代行サービスと弁護士費用、自転車のロードアシスタンス、宿泊移動費用も補償してくれます。
月々980円と保険料も安価で家族全員が安心して自転車に乗ることが可能です。
損保ジャパン「UGOKU」の公式サイトはこちら

楽天保険「サイクルアシスト」

楽天保険「サイクルアシスト」は、賠償責任1億円、自分への補償は、入院保険金日額2,500円、手術保険金(入院中25,000円それ以外12,500円)、死亡・後遺障害250万円の補償を受けられます。
夫婦2人だけを補償してくれるカップルプランや自分と自転車を使う子ども1人だけを補償してくれる個人プランなど自転車に乗る家族を選択することも可能です。
楽天保険「サイクルアシスト」の公式サイトはこちら

自転車保険加入への義務化に向けて家族型自転車保険を検討しよう

家族型自転車保険は、家族全員が補償の対象となるため、補償漏れの心配がありません。
特に、子どもは年齢とともに自転車に乗る距離も使い方も変わるため、それぞれ個人型に加入していると保険期間や補償内容が異なることが多いです。
個人での加入は、気をつけていても管理が煩雑になって、必要な補償が漏れてしまっていたり、家族間で補償が重複したりと不要な保険料を支払っているということもあります。
自転車保険の義務化はさらに加速すると予想されます。
この機会に自分が加入している保険に個人賠償責任保険や傷害保険があるか確認をしたうえで、家族型自転車保険について検討し、加入しておきましょう。

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